最後の短編集です。
「
豹頭の仮面」を読み始めてから週一読書でやっとここまでたどり着きました。2008年の10月13日からなので3年ちょっとですね。
怖いことにすでに前半の内容を少し忘れていて、後半は読んでいると前半ひっくりかえしたくなるという・・・
これでホントに最後の最後と思っていたけど、
最近発売のグイン・ワールド3巻には栗本さんの遺稿って文字があるんですよね。
ちょっと本をパラ見したけど、たぶんナリスの事件簿とノスフェラスっぽかった。
相変わらず栗本さんってばナリス贔屓だなぁと苦笑がもれました。
だってこの本にもナリスの事件簿が収録されているw
最近あとがきがなかったこの本も最後の巻は外伝なので、解説がありました。
今岡さんの解説です。今岡さんの体調は現在どうなっているんでしょうねぇ。
さて今回は長くなっても頑張ろう
「前夜」
これはアニメのDVDのブックレット用作品とのことなので、それこそ執筆時期がかなり新しい作品ですよね。
いやぁ、私はレムスってたしかに目立たない子だったと思うけど、こんな風に先に帰っちゃうような子だとは思っていなかったなぁ。
すでにこの頃からナリスのこと苦手だったのかなぁ。
リンダといつも一緒という子供時代だと思っていたし、王位とはまだ縁のない子ども時代だからそんなことはないと思っていたんですよね。
で、この前日の何事もない1日を読みながら、あらためてリンダとレムスの両親。
どんな人物なのか気になったよなぁ。
何をしっていて、どういう生き方していたのか。
このグイン・サーガという物語の時代を作る何かにかかわっていたのか・・・
いい人の一面ばかり見ているけどそうじゃないことはもう知っているものなぁ。
「悪魔大祭」
うわさのJUNE掲載の短編ですね。
そういえば、今JUNEってどうなっているんでしょう。
ってもともと読んでいませんけどね、私。
ただ、後ろの作品紹介によるとこれってグイン・サーガハンドブックにも収録されたことがあるのかな。
どちらにしろかなり初期の作品です。1982年ってありますよ。
まぁ、気になったのは、三国時代のあとにきたパロの闇王朝の都がイシュタルティーってことです。
なんですか、そのいかにもイシュトがつけたような都市の名前は・・・
もちろん時代が違うから後の世にゴーラ王イシュトにあやかった名前の人がいて、
そいつがパロの名前をこう変えたってこともあり得る・・・
あり得るんだけどさぁ、やっぱり絶対イシュトがパロになんかしちゃった気もする。
今の展開がそのままゴーラのパロ征服ってことにはならないとは思っているんだ。
だってまだレムスは中興の祖になっていないし・・・
でも一方でリンダがモンゴールの塔に行っていない。
まぁ、そういう気になるのはおいといて・・・
この話って後半のSF部分がちょっと気になりますよねぇ。
しかも猫?
後ろのヒプノスとの関連が気になったんですけどぉ・・・
「クリスタル・パレス殺人事件」
ナリスの事件簿ですよ。
グインサーガハンドブックの2冊目に掲載してたってあるけど、これって外伝の事件簿がでるより
先なのか後なのか・・・
ナリスさまがどの程度浮名を流しているころかちょっと不明ですが、
ヴァレリウスくんがすでにナリスさまをずいぶんと気にしているんですね。
えー、最初はライバル心じゃないの?
まぁ、名前を覚えてもらいたいっていうのも一つのライバル心なのかもしれないけど、
ちょっと違うかなぁ。
何より事件がちょっと違うと思ったのは、魔導師めざしていたら恋愛しないというより、恋も魔道もとることできないんだから(魔力がおちる)、この事件ってそもそもの展開がおかしい気がするんだよなぁ。第一こういう事件の場合、魔導師がもっと早い段階でなんとかできないと国としておかしいでしょ、パロ。
「アレナ通り十番地の精霊」
うぉー、ゴダロのとっちゃん!
グインサーガハンドブックの3巻に掲載されていたのかぁ。
ついにダンもお父さんになる瞬間だというのに、ゴダロのおじちゃんが危篤とはなんて大変な物語なんだぁ!
あまりにも自分の運命を素直に受け入れているおじさんにいとしさを感じるぞ!
・・・と、思っていたらなんかダンが妙な運命を引き込んでしましましたよ。
栗本さんの考えていた第二世代の物語にこの一家もかかわるのだとしたら、それはうれしいような心配なような・・・
「ヒプノスの回廊」
これは表題作というだけじゃなくて、表紙のイラストもそうなんですね。
猫娘。
もっとグインのような猫の顔を想像していた(笑)
英語タイトルの「THE PASSAGE TO PAST」というのもヒプノスの回廊の英訳になるのかな。
直訳というより英語でこの物語にタイトルをつけると・・・ってところか。
この作品は百巻達成一周年記念に発売されたパンドラ・ボックスに収録されていた短編だそうですね。あぁ、なんかそんな本あったなぁ。
めちゃくちゃ高かった気がする。
時期としてはいつごろなんだろう。マリウスと二人で旅しているころなのかな。
記憶を失っているからこそ、夢の中ではすべてを覚えているって時なのかなぁ。
ただ、もともとグインって夢の中とか意識不明のときはやたらとSFの世界になっていたので謎です。
それにしても、いろいろ分かったこともあれば謎も深まったなぁ。
グインの記憶操作が5回目というのは、中原に来てからだとおかしいなぁと思っていたけど、
この夫婦は相性悪いくせして、そのたびにこんなことやっているんかい!
いや、相性が悪いというには奥さんはグインにベタぼれなんですね。まぁ、単に自分の思い通りにならないのが嫌いというだけの性格の記もすごくするが・・・
それにしてもグイン。
「あんたの女房は、えらくまたでっかいんだな・・・」なんて人の言葉で感想もらしてんじゃないよ。
そういう意味でいうなら「でっかい女の反動であんなやせっぽっちが可愛くなったのか」でしょう。
でも外見だけが正反対で性格がまったく同じようなヤキモチのあたりお前馬鹿だろうと言いたくなる。
まぁ、理由は考えられるよね。
もともとグインはアウラと結婚するために作られているんだから、
あぁいう性格への我慢強さというか愛情をインプットされちゃっている可能性もあるわけだ(爆)
そういう意味でたび重なる記憶修正の結果、ヴァルーサに愛情を感じられるようになっているというのはグインにとってはいいことなんでしょうが、複雑ですねぇ。この物語の先には世界の終わりしかないんじゃないですか?
まぁ、闇の王朝というかなり先までこの世界が残っていることが分かったのでますます謎が深まっているんですが・・・
最後の「氷惑星の戦士」は残念ながらグインの物語ではありませんでした。
今岡さんのいうグインをかくうえで重要な作品というのも分かりますが、今のワールド3巻が出た今となってはしっかり遺稿探してから最後の外伝だしてほしかった・・・とも思います。
私は自分で書店に行くようになったときにはもうソノラマ文庫が綺麗に本棚並んでいたので、
SFがない時代というのがよくわからないんですよね。
それにこの解説を読んでいると歴史(日本文学史)に名を残したくて小説を書いているようなきがしないでもないので、いわゆるハードボイルド的なこの作品の魅力をすべて台無しにしているような気もします。
ヒプノスの回廊―グイン・サーガ外伝〈22〉著者名:栗本薫
出版社:早川書房
収録作:「前夜」「悪魔大祭」「クリスタル・パレス殺人事件」「アレナ通り十番地の精霊」
「ヒプノスの回廊」「氷惑星の戦士」
ジャンル:ハイファンタジー
お気に入り度:★★★★☆